

「違い」を力に変える
「違い」を力に変える 〜画一的な教育から抜け出すために〜 今回のテーマは「違いを力に変える」です。 日本の教育は、長い間「同じようにできること」が良しとされてきました。 同じタイミングで同じ課題をこなし、同じ答えを導き出すこと。 それが「できる子」の証とされる風潮は、今もなお根強く残っているように感じます。 しかし、その結果どうなっているでしょうか。 「みんなと同じでなければ不安」「少し違うと浮いてしまう」そんな空気の中で、子どもたちは自分の“違い”を隠すようになっているのではないかと思います。 けれど、音楽の世界では違いこそが“個性”であり、“表現の原点”です。 少し独特なテンポの取り方も、柔らかい音色も、他の誰にも真似できない感性の証です。 それを「みんなと違うから直そう」と言ってしまったら、その子の一番の魅力を消してしまうことになります。 講師として感じるのは、 「違いを認める教育」こそが、子どもの可能性を最大限に引き出す鍵だということです。 そのために私たち教育者がすべきことは、「型にはめないこと」。 決められた枠からはみ出す勇気を持つこ
東 由香梨
2025年11月8日


子どもには「夢の世界」がある
子どもをレッスンするうえで、大人が知っておかなければならないこと。 それは 子どもには「夢の世界」がある ということです。 「四分音符」「3度」などの楽典、 季節について学ぶことももちろん大切です。 でも子どもは、 頭で理解する前に、体で感じて吸収する存在。 無意識に一緒に声を出して歌ったり、 音楽が流れると体が勝手に動いたり。 子どもは、自分の内側に湧き上がるものに反応せずにはいられません。 そしてその “体験” があるからこそ、 やがて理論や技術にも自然と向かっていきます。 例えば、ヴァイオリンのボウイングを教えるとき。 「弓を動かすときは、力を入れないように」 と説明するよりも、 「手のひらに、卵が入っているよ。 落とさないように、壊さないように、そ〜っと持ってみて。」 と伝えるだけで、 子どもの吸収力は驚くほど変わります。 子どもは ファンタジーの世界の住人 です。 その世界に存在しながら、字や数字、音楽や絵を学んでいきます。 だから講師には、 子どもの想像力に寄り添って教えていくことが求められる。 レッスンの中でプリンセスごっこをす
東 由香梨
2025年11月6日


音楽を続ける力はどうつける?
小さな「できた!」が、音楽を続ける力になる ある日、レッスンで小さな女の子が涙をこぼしました。 思うように弾けず、何度やっても同じところで止まってしまったのです。 けれど先生が「ここまで弾けたね。今日はこの一小節だけを練習しよう」と声をかけると、少しずつ表情が和らぎ、最後には「できた!」と笑顔になりました。 この「できた」の瞬間こそ、子どもにとって大きな宝物です。 小さな一歩の積み重ねが、やがて“続ける力”へと変わっていきます。 音楽を長く続けられる子どもたちに共通しているのは、特別な才能ではありません。 日々の中で、こうした“小さな成功体験”を積み重ねていることです。 そしてその背景には、いつも寄り添ってくれる大人の存在があります。 練習したくない日があっても、「じゃあ一緒に5分だけやろう」と声をかけてくれる人がいることで、子どもは「やってみよう」という気持ちを取り戻せるのです。 ただ楽しいだけでは物足りず、ただ厳しいだけでは苦しくなってしまう。 遊び心のある活動と、努力が実を結んだときの喜び。 その両方を味わえるバランスがあるからこそ、子ども
東 由香梨
2025年11月2日


子どもに任せる育て方
子どもに任せる育て方 〜“自分で決める”経験が育てる力〜 今回は「子どもに任せる育て方」について考えてみたいと思います。 子どもの中には、次のような2つの考え方を持つタイプがいます。 A. 自分の運命は自分が決めていると思う子 B. 自分の運命は外的な要因で決まっていると思う子 この2つの違いは、子どもの行動やモチベーション、そして幸福度にも大きく関わります。 Bのタイプの子は、どうしても受け身になりやすく、「どうせやっても無駄」「できないと怒られるから仕方なくやる」と感じてしまうことが多いです。 そのため、いくら親や先生がサポートしても、なかなか成果につながらないこともあります。 一方でAのタイプの子は、「自分の行動で周りの世界を変えられる」と感じた時に、驚くほどの集中力と成長を見せます。 実際、「宿題をする・しない」を自分で決めた子どもの方が、 幸福度が高く、ストレスが少なく、人生で成功しやすいという研究結果もあるそうです。 親や先生が「任せること」を難しく感じる理由 とはいえ、子どもに任せるのは勇気のいることです。 親や指導者の中には、こん
東 由香梨
2025年11月1日


子どもの才能はどう見つける?
子どもの才能は、日常の中にかくれています 「うちの子にはどんな才能があるんだろう?」 そんなふうに考えたことはありませんか? 才能というと、特別なものや目に見える結果を思い浮かべがちですが、実は子どもの才能は、もっと身近なところにあります。 それは、日常の中にある小さな「好き」や「得意」の中に、そっと隠れているのです。 たとえば—— 時間を忘れて夢中になる遊びがあるとき。 苦手そうに見えても、何度も挑戦しようとするとき。 自分なりに工夫して、もっと良くしようとする姿が見えるとき。 その瞬間こそ、才能の芽が顔を出しているサインです。 つい「お友だちより上手」「人よりもできる」という結果で判断してしまいがちですが、 本当に大切なのは その子自身が楽しんで取り組めるかどうか です。 「昨日よりできた!」「もっとやりたい!」と感じる気持ちこそが、才能を育てる大きなエネルギーになります。 私たち大人にできることは、とてもシンプルです。 いろいろな体験の機会をつくること 小さな「できたね!」を一緒に喜ぶこと 結果よりも、取り組む姿勢を認めてあげること...
東 由香梨
2025年11月1日
